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2008年3月 9日 (日)

阿蘇の野焼き

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高森町上色見の根子岳のふもとに前原(まえばる)という集落がある。前原から日の尾峠越えで阿蘇一の宮に抜ける林道があり、峠の手前に鍋の平らがあり肥後赤牛の放牧場になっていて、キャンプ場もあり高森町の観光スポットになっている。

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今日は前原地区の野焼きが行われ早朝から集落の人たちが総出で準備して8時頃火が付けられた。あいにくの天気で今年の野焼きは勢いよく燃え上がらず野焼きのスタッフは苦労していた。

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阿蘇地方は独特の地形で各地に草原があり赤牛の放牧場となっている。草原には阿蘇地方にしかない貴重な野草や昆虫が生息している。ヒゴタイ・ハナシノブ・ツクシマツモト・ヤツシロソウは高森町の4花に指定されていて、ハナシノブなどは高森町でしか確認されていない貴重な野草である。初夏ヒメユリなどの野草も牧草地に咲き乱れる。

牧草地は古い時代から人の手によって管理されてきた。適度に人の手が入ることで豊かな草原を維持してきた。春先に野焼きを行うことで牧草地に命を吹き込み草原の多様性を保ってきた。阿蘇地方でも年々野焼きが行われなくなった草原もあり荒れ果てた草原もふえてきた。

野焼きが行われなくなった草原では、萱などの背の高い強い野草がはびこって、ヒメユリなどの弱い野草が育ちにくくなり草原の多様性が損なわれ、オオルリシジミなどの貴重な蝶も繁殖できなくなるのだそうだ。オオルリシジミは野焼きが行われた草原に新芽を出すクララに卵を生み、幼虫はクララの葉を食べて蝶になる。現在では南阿蘇の限られた草原でしかオオルリシジミは確認できなくなった。

野焼きをすることで阿蘇草原の弱い野草も強い野草も平等に生き残れるチャンスを与えているのだ。

今日はあいにくの雨で勢いよく燃え上がらなかったが、野焼のあとひと雨ごとに野草の新しい目が出て、美しい阿蘇の草原がよみがえる。

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