竹ペン 葦ペン
僕の若い時、絵を勉強していたころ、竹ペンを作ってデッサンをしていた。ひょんなことから銀座の伊東屋で販売してくれることになり、けっこう良く売れたので、駿河台下の画材の老舗・文房堂にも扱ってもらい全国の画材店に販売してもらった。僕の作る竹ペンは書き味もよくけっこう評判が良かった。研究してゆくうちに、ひねた矢竹で作る竹ペンが書きやすいこともわかった。矢竹の節のところがペン先になるように作ると書き味の良い竹ペンが出来る。
当時は浅草橋にある筆軸専門店から切りそろえられた筆軸用の矢竹を買ってきて竹ペンを作っていたが、買ってきた矢竹の半分以上が柔らかくて竹ペンを作るのには向かなかった。千葉県は竹の産地なので竹ペンを作る矢竹を探したことがある。土地の釣竿師に当たってみたら、さすがに良い矢竹を沢山持っていた。ひね矢竹を分けてもらって当時作ったのが上の写真の竹ペンである。
矢竹で作った竹ペンの拡大写真。
当時、デッサンに使っていた竹ペン。太い竹ペンは、さらした真竹である。千葉県産の真竹は非常に硬く、竹ペンを作るのに向いていた。銘木屋などでもさらした真竹は売っているが、用途が内装などに使うためすべて「ためなおし」がしてある。竹は山に生えているとまっすぐに見えるが、けっこうくねくねと曲がっている。まっがっていてはインテリア用として使いにくいのでわざわざ「ためなおし」をほどこすのである。「ためなおし」をした真竹で竹ペンを作ると、ちょうどペン先になる部分が「ためなおし」のところになると、墨をつけて描く竹ペンではペン先の左右がずれてきて段違いになりペンとしては使い物にならない。当時は千葉県産の真竹を特別に注文して「ためなおし」をしないなるべく「ひねた」真竹をさらしてもらって買っていた。
写真は最近作った葦ペンである。ホームセンターで「よしず」を買ってきて、ばらして材料にしている。葦ペンは竹よりもはるかに柔らかいのでたいした道具がなくても作ることが出来る。カッターナイフがあればだ誰でも簡単に作ることが出来る。葦を切るときにペン先になる部分が節の硬いところになるようにのこでひくと良い。葦は柔らかいので「バルサ」材が切れるような目の細かいのこでひかないとうまく切れない。穴を開けるのはドリルや錐ではきれいにあかないので焼き火箸を使うと良い。僕はハンダゴテを使っている。カッターでペン先の割れ目を入れても、どこに割れ目が入っているのか良くわからないので、墨をつけると毛細管現象で割れ目にしみこんでペン先を削るときにもやりやすい。葦の内側はぼそぼそなので紙やすり(240番程度)で丹念に磨いておく。形が整わなくてもペン先の部分さえうまく出来ていれば良いのである。葦ペンは竹ペンとは一味ちがう描き味があり西洋では昔からデッサンの道具として使われてきた。現代も葦ペンを愛用する画家は多く画材店でも買うことが出来る。葦ペンは竹より柔らかいのでペン先がすぐにへたるので自分で作ることが出来なければデッサンの道具として使えないだろう。
僕の愛用する竹ペンは、高級な万年筆よりもデッサンをするのには向いている。万年筆はインクだが、インクは乾いたあとでも水ににじむ。竹ペンでデッサンするときには必ず墨をすって使っている。墨の色はたいそう美しく乾いたあと水彩絵の具をのせてもにじまない。
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コメント
これは興味深く拝見させてもらいました。
細かい作業にはなると思いますが、竹の特性を生かせて面白いものがたくさん出来るのではないでしょうか。わたしもさっそく作ってみたいと思います。
わたしの竹細工もブログに載せますので観てください。
投稿: 森のおじさん | 2007年9月20日 (木) 04時02分
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投稿: | 2021年6月 3日 (木) 11時44分